自閉症児は切り替えが苦手な子が多い
レオは場面の切り替えが苦手です。
療育センターに通うようになると、毎日クラスのスケジュールがあるわけです。
登園、自由遊びの時間、朝の会、その日のプログラム、給食、園庭遊び、終わりの会、降園・・・
レオはセンターにいた頃、朝の会や終わりの会が苦手でした。
単純に興味がないようでした。
だから、自由におもちゃで遊んでいる時に、「朝の会だから終わりにしよう」と言われてもすぐには終われません。
次に待っている出来事が楽しいものなら終われるでしょうけど、特に興味のない朝の会のために自らおもちゃを片付けることは難しいことでした。
そんなときに担任の先生が取り入れたのが『10数えること』でした。
単純なことですが、要は気持ちの切り替えのきっかけでした。
「今から10数えるよ」「もう少ししたら、10数えるからそしたら終わりにしようね」と予告しながら使っていました。
不思議とレオは納得したようで、10数えると遊びを終わりにすることができるようになっていきました。
これは子供それぞれなので、時計がわかる子なら、「長い針が6にきたら終わりにしようね」とか、アラームが鳴ったほうがわかりやすい子ならキッチンタイマーを使って、「ピピピと鳴ったら終わりにしようね」等、クラスの中でも使い分けていました。
家での切り替えにも使えるか?
これはいいな!と家でも取り入れてみたのですが・・・家ではセンターとは違い、もっと夢中になってしまうタブレットがあるので、それをすんなり終わらせるのは至難の業・・
レオはアプリや動画が大好きなのです。
おやつの時間とか、プールに行くよ、とか好きなものが後に待ってれば、10数えるまでもなく終わらせられることもありました。
単に「療育センターに行く時間だよ」「お風呂に入る時間だよ」「寝る時間だよ」の時は、私がいくら呼び掛けても無視されました‥‥聞こえているとは思うんですけどね。
ついイライラしてしまって、漫画の対応のようなことをしてしまうと、もう大失敗です。
レオはパニックなってしまって、「おしまい!おしまい!」と叫び続けます。
終わらなくちゃいけないことは頭ではわかっているだろうし、でも気持ちがザワザワしてしまって本人もコントロールできなくなっているようでした。
「場面の切り替え」も大事ですが、「気持ちの切り替え」もレオには大きな課題です。
家族5人で生活している以上、いろんな予定外な出来事もあって、常にレオのために準備万端に行動できるわけではありませんが、場面と気持ちの切り替えについては、4歳よりも5歳、5歳よりも6歳の方が上手になってきています。
これはレオの精神的な成長もあると思います。
自閉症児には難しいことだと思うのですが、「折り合いをつける」ということを少しずつ学んでいるんですね。