自閉っ子と家族の日常

3児の育児奮闘中。真ん中で長男のレオは中度知的障害を伴う自閉症スペクトラムです。不思議なレオと家族の日常をゆるりと絵日記でつづります。

自閉症とわかるまで⑦

自閉症とわかるまで⑦

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自閉症と診断されて、その心境

待ち時間が長かったから、発達障害や自閉症について検索する時間はあって、自閉症について上辺だけの知識はあったんです。でも、実際に「知的障害」「自閉症」と言われることの重みと言ったら・・・その場で泣きはしないけれど、なんで自分の身にこんなことが起きてるんだ・・・と、なんだか現実味がない感じでした。

「質問は?」と聞かれても、何を聞けばいいのかわからない。漠然と浮かんできたのは、「この子はどういう一生を送るの?」ということでした。でもそんなの先生に聞いたってわからないですよね・・・。

レオの発達に違和感を感じ始めたころ、「考えすぎ」だとか「心配しすぎ」と言われたこともありました。だから、一瞬だけ、「ほらやっぱり!私は間違ってなかったでしょ」と誰に向けるでもないけど、そういう気分になりました。

それから少し時間がたつと、次はリアルな思いが一気に頭を駆け巡っていきました。

孫が障害児ってわかったらどう思われるかな・・・(義両親も実の両親もうすうす気づいているだろうけど・・)。

スポーツ好きの旦那は男の子が欲しいとずっと言っていた。一緒にサッカーとか野球とかやりたかったに違いない。レオにできるんだろうか・・・。

きょうだいに障害があるってことは、ハルやメグの人生にも影響するな・・。

それだけでなく
「私の人生はこれからどうなるの?」とも思いました。

愛しい我が子には違いないけれど、どうやって育てていけばいいのか将来に対する不安が大きかったです。(今ももちろん不安はありますが)

自閉っ子の、レオの母として、「頑張ってみるか!」と腹を決めるまでには少しだけ時間がかかりました。

療育センターに救われた

誰に話せば一番気持ちが楽になるかは、人によってそれぞれ違うと思います。
旦那さんかもしれない、実の両親かもしれない、 仲の良いママ友かもしれない。
私の場合は、やっぱり療育センターで知り合った人達でした。
程度の差はあれど、同じ障害の子を持つお母さん達とは共感できることが多かったです。「わかるわかる!」と言える、言ってもらえる嬉しさ。
そして、療育の先生達は、本当にプロフェッショナル。
レオについて私が感じた、悲しかったこと、不安なこと、嬉しかったこと、報告する度にすべて優しく受け止めてくれました。そして、「お母さん辛かったですね」「頑張っていますね」「レオくん素晴らしいですね」と言ってくれるんですね。
そう、この時の私が求めていたのは、共感してもらえること、ただ話を聞いてもらえること、やみくもに否定されないこと、でした。

療育センターとはレオが2歳の時からのお付き合いだから、もう3年近くお世話になっているわけですが、メンタル面でかなり助けられています。センターは障害のある子供を通わせる場所でもあるけれど、親も勉強することがたくさんあるし、障害児の親として成長していく場所でもあると思いました。
センターではレオのことだけを考えて二人の時間を過ごし、自分の気持ちを吐き出しました。レオにみっちり付き合うと疲労感もすごいのですが、その時間があるから家に帰ってからは、あまりモヤモヤせずに済みました。他にも世話を焼かなきゃいけない子供が二人いるので、レオのことだけ考えてられないという環境でもあったのですが。

気持ちを吐き出すことは大切です。一人で考えたり悩んでいると鬱々としてしまうし、悪い方向に向かってしまうかもしれない。
アドバイスが必要ないなら(変にアドバイスされると余計に落ち込むこともありますよね)、ただ話を聞いてもらえる人や場所が必要だと思います。

レオもゆっくりだけど成長しています。
親しい人とは目が合うようになりました。
指差しも出るようになりました。
ひらがなも読めるようになりました。
一生喋らないかも、と覚悟したこともありますが、5歳で初めて初語が出ました。
成長するにつれて、自閉症らしい特性が次々に出てきて、面食らうこともありました。
でも、レオが2、3歳の頃に比べたら私もずっと落ち着いてきていると思います。

レオがどんな大人になるのかはわかりません。タイムスリップして未来を確認してきたいくらい将来のことは気になるけど、将来のことを悶々と悩んでも、結局は今私にできることをするしかないんだな、という結論になります。
彼が将来幸せだ、楽しいなと思える人生を送れるように、母として支え、見守っていってあげたいと思っています。